Sunday, July 02, 2006

2006.7.1 「酒のひろせ」訪問

毎月一度のレンタカー参り。今日こそは酒のひろせに辿り着いてみせる!
地図も用意して準備万端!

で、着きました。酒のひろせのご主人(だと思うのだが・・「若旦那」かな?)
は 商人の鑑のような佇まいの方であった。醴泉を求めてきたことを
お伝えしたら、ボルテージが一気に上昇。やっぱり醴泉には特別な
思い入れがおありの様である。どのグレードにするか悩んでいたら、HPでも
基本と書かれていた「純米酒 醴泉」を薦められた。初めは気づかなかったが
同じ純米で価格、ラベルが二種類ある?何でも山田錦の価格が高騰した為
蔵元がやむなく値上げに踏み切ったそうで、今お店には以前の旧価格の
ものとやや値段の高い新価格の「純米酒 醴泉」が一緒に売られていたわけだ。
「旧価格の純米は今あるので最後ですから、まちがいなくこれが一番
お勧めです。」買った!!
名簿に記入し、ご主人にお礼を言って帰途に着いた。
次回の「醴泉を楽しむ会」には是非参加させていただきたいものである。


帰って先に醴泉の抜栓をしてから、夕餉の支度にかかる。
料理を一通り終え、まず食前に一杯・・以前飲んだ本醸造の醴泉とは
随分印象がちがう。あちらはかなり主張の強い酒と感じたがこちらの
純米はもっと繊細な、柔らかく舌の上を流れていく様。


それから杯の遣い様でこの日新たに得る所があった。

以前は名古屋のロフトで買った備前焼、っぽい安いぐい呑みを
愛用していた。大きさ、姿も気に入っていたが今にして思えば
口縁(淵)の厚さが絶妙だったのだと思う。口をつける淵の厚みは
少なからず味に影響を及ぼす。重さや形は使い手の(肉体的)姿勢に
ひいては「味わう姿勢」そのものにまで影響しうる。
そのぐい呑みは先日うっかり割ってしまい、今の本物の備前の杯を
購入したのだがこちらはやや口縁が厚め。そのためか
同じ酒を飲んでも(前のぐい呑みで飲んだときと比べ)随分
印象が変わりかなり戸惑ってしまっていた。
自分の味覚・感性が鈍ったのかとも思ったり。
今までは杯を取るとき中指の腹に高台を乗せて拇指を
口縁に掛け、持つ側の腋はやや閉じ気味な格好になっていた。



だがこの日たまたま違う持ち方になったまま飲んでいたら、
以前の感覚が一気に蘇る思いがしたのだ。
卓上に置かれたところから、中指薬指は杯の高台脇から
腰に沿って支え拇指は自然に口縁に掛かり、そこから
口に運ぶとき手首はほぼ90度ちかくまで屈曲、指は
口をつける位置の丁度真向かいを摘んでる感じ。
腋は思い切り大きく開け肘も力まず自然と張る。
そのまま中の酒がこぼれない程度に、最小限の力で支えつつ口に運ぶ。
干したとき手首から先は力を抜いて、杯の上端を
軽く摘んでブラブラにぶら下げているが如し。



これだ!という確信があった。この持ち様に(気づいたら)なっていた時
味覚だけでなく心身の全てが開放された思いがした。

道具の持ち方一つで世界は一変する。

大げさ?確かに・・・。でも私にとっては晴天の霹靂。
きっと醴泉とひろせのご主人のパワーのおかげであろう。

1 comment:

Unknown said...

先日「酒のひろせ」店主広瀬様からメールにてコメントを頂きました。こちらの設定のせいで投稿できなかったようです。あいすみません。
以下に転載させて頂きます。

Cody様。
先日は当店にお立ちより下さいましてありがとうございました。
確かに酒器でかなりお酒の味わいが変わりますね。
それに加えて、持ち方でも変わるというお話、興味深く読ませていただきました。
早速、今晩試してみます。
ひろせ。